ラパリムス錠の副作用について

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 副作用と思われる症状があらわれたらできるだけ早く対応することが、症状の悪化を防ぐために重要です。
 しかし、患者さんの判断でお薬を飲むのをやめることは危険です。「副作用かも」と思ったら、すぐに担当の医師や看護師、薬剤師にご相談ください。
 また、副作用は必ずあらわれるわけではなく、症状や程度も患者さんにより異なります。
ラパリムス錠の副作用について

特に注意すべき副作用

○[ 間質性肺疾患 ] 痰のない咳、発熱、息切れなど
 間質性肺疾患は、重症化する前にできるだけ早く発見して対応する必要がある副作用です。痰のない咳が出たり、熱が出たり、これまでにない息切れや息苦しさを感じたら、すぐに担当の医師や看護師、薬剤師に連絡してください。間質性肺疾患が疑われる症状がある場合、CT検査で肺に異常がないかを確認しながら慎重に治療が行われます。
○[ 感染症 ] 咳、痰、発熱など
 ラパリムス錠の服用により、病原菌から体を守る機能が低下して、感染症にかかりやすくなることがあります。主な感染症として肺炎や気管支炎などがみられました。感染症を防ぐため、うがいや手洗いをこまめに行い、人の多い場所ではマスクを着用するなど心がけましょう。
 また、過去に肝炎や結核などにかかったことのある方は、あらかじめ担当の医師にお申し出ください。病原菌から体を守る機能が低下して体内で眠っている病原体が再び活性化し、症状が出る場合があります。
○[ 口内炎 ] 口の中のあれ、痛み、出血など
 口内炎は適度なブラッシングや、うがいで口の中を清潔に保つことにより症状が軽くなることが期待できますが、うがい薬を使う場合は種類によって症状を悪化させることもあるため、担当の医師や看護師、薬剤師などに口腔ケアの方法について相談してください。また、ラパリムス錠を服用される方のために、口内炎のセルフケアに関する冊子を用意していますので、ご活用ください。症状が悪化して食事がとりづらい場合などは、口腔用のステロイド軟こうや痛み止めの薬などを使って治療することもあります。
○[ アナフィラキシー ] 呼吸困難、低血圧、失神・意識不明など
 頻度は低いものの、急性で全身性の重いアレルギー反応であるアナフィラキシーや血管がむくむことによる唇、顔、首、のどの腫れなどといった過敏症反応があらわれることがあります。
 このような重いアレルギー反応の場合は、皮膚のかゆみやじんま疹などの皮膚症状、声のかすれ、くしゃみ、息苦しさなどの呼吸器症状、腹痛や吐き気などの消化器症状といった軽い症状の後に重い症状に移行する場合が多くみられます。このような症状があらわれた場合はすぐに担当の医師や看護師、薬剤師にご連絡ください。
アナフィラキシー
○[ 体液貯留 ] 全身のむくみ、胸部や腹部に水がたまる
 体液が溜まると、むくみ、息苦しさ、腹のはりといった症状があらわれます。心臓を囲む袋である心のうと心臓の間にある心のう液が異常にたまる心のう液貯留、手足などの末端部のむくみ、胸水、腹水などがみられました。
 頻脈などに注意し、異常があるときには、心電図、超音波、CTなどの検査を行うことがあります。
アナフィラキシー
○[ 脂質異常症 ] 
血中のコレステロールや中性脂肪(トリグリセリド)が
高いなど
 高コレステロール血症、高トリグリセリド血症、脂質異常症などがあらわれることがあります。ラパリムス錠を飲んでいる間は定期的に血液検査をして異常がないかどうかを確認します。
○[ 創傷治癒不良 ] すり傷や切り傷などの治りが悪い
 すり傷や切り傷などが治りにくくなる可能性があります。
 また、手術の後、手術部位の傷が治りにくいことがあります。傷の状態や状況によって、担当の医師がラパリムス錠の服用方法を変更する可能性があります。
○[ 腎障害 ] むくみ、尿量の変化(尿量減少や多尿)、だるさなど
 蛋白尿や血中のクレアチニン値(腎機能関連の指標)の上昇がみられることがあります。ときに重い腎機能障害が起こることがあります。症状としては、むくみ、尿量の変化(尿量減少や多尿)、夜間尿、頻尿、だるさ、貧血、かゆみ、食欲低下などが認められます。
 定期的に血液検査や尿検査などを行い、腎機能に異常がないかどうかを確認します。
○[ 皮膚障害 ] 皮膚の炎症、発疹、かゆみなど
 皮膚の炎症(ざ瘡〔にきび〕、ざ瘡様皮膚炎)、発疹、皮膚が赤くなりはがれる(剥脱性発疹)、かゆみ(そう痒症)といった症状があらわれることがあります。お薬で症状を抑えたり、ラパリムス錠の服用方法を変更したりすることがあります。
アナフィラキシー
○[ 消化器症状 ] 下痢、吐き気、嘔吐など
 消化器系の副作用として、下痢、吐き気、嘔吐などがみられました。これらの症状が出た場合は、担当の医師や看護師、薬剤師にご相談ください。

小さな変化でも気になることがあるときは

 ラパリムス錠による治療を安心して受けていただくために、「いつもと違うな」と感じたときは、担当の医師や看護師、薬剤師に遠慮なく相談することが重要です。
 具体的に相談できるよう、毎日記録をつけましょう。ラパリムス錠を服用される方のために「服用ダイアリー」を用意していますので、ご活用ください。
ラパリムス錠の副作用について
監修 新潟大学医歯学総合病院 魚沼地域医療教育センター
髙田 俊範 先生

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