リンパ脈管筋腫症(LAM)とは?

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リンパ脈管筋腫症はLAMともいいます。LAMは英語でリンパ脈管筋腫症を意味するlymphangioleiomyomatosisの略語です。この病気は、リンパ管や肺などで、平滑筋に似た性質をもつLAM細胞が増える腫瘍性の病気です。LAM細胞は肺、リンパ節、腎臓などで増えますが、増える速度は比較的ゆっくりで、悪性腫瘍とはみなされていません。
 LAMには、結節性硬化症という病気に伴って発生する「TSC-LAM」と、単独で発生する「孤発性LAM」の2種類があり、全体の85%を孤発性LAMが占めるといわれています。TSC-LAMと孤発性LAMで症状や進行の程度などに差はないと考えられています。※心臓以外の内臓や血管にある筋肉です。手や足の筋肉とは異なり、自分の意志で動かすことはできません。
LAM細胞

リンパ脈管筋腫症の原因

LAMの原因ははっきりとはわかっていませんが、TSC1 やTSC2 という遺伝子の異常が原因のひとつではないかと考えられています。
 孤発性LAMの患者さんはTSC2 遺伝子に異常のあることが多いようです。
TSC-LAMの患者さんはTSC1 またはTSC2 という遺伝子に異常がみられます。
TSC1 やTSC2 は、血管や細胞を増やす働きのあるmTORというタンパク質をコントロールしている遺伝子です。そのためこれらの遺伝子に異常が起こると、mTORの働きが活発となり、細胞の異常な増殖が起こるといわれています。
 また、LAM細胞は、肺の構成成分のひとつであるコラーゲンなどを分解する酵素を出すことにより肺に穴をあけるのではないかとも考えられています。
 妊娠可能な女性の患者さんが多いため女性ホルモンが関係すると考えられていますが、人種や喫煙などとLAMとの関係についてはわかっていません。
LAM細胞

リンパ脈管筋腫症の患者数

 LAMの患者さんがどれくらいいるのか、実態はよくわかっていませんが、日本では人口100万人あたり1.9~4.5人と考えられています。国の難病に指定されており、平成25年度は586人が医療費の助成を受けています。LAMの特徴として、妊娠可能な年齢の女性の患者さんが多いことが挙げられます。男性の患者さんはほとんどいません。

リンパ脈管筋腫症の遺伝性について

 弧発性LAMは遺伝する病気とは考えられていません。しかし、結節性硬化症は遺伝性の病気で、その3人に1人がLAMを発症するといわれています。なお結節性硬化症は1/2の確率で遺伝しますが、遺伝しても必ずしもLAMを発症するとは限りません。
結節性硬化症
LAM患者の15%程度が結節性硬化症をもっていると考えられています。結節性硬化症は、脳、腎臓、肺、皮膚、心臓など、全身のいろいろな場所に腫瘍ができる病気です。小児期に診断されることが多く、てんかんや知的障害を伴うことも少なくありません。10歳以降の患者さんでは腎臓の腫瘍(腎血管筋脂肪腫)や肺の腫瘍(TSC-LAM)を発症することがあります。
監修 新潟大学医歯学総合病院 魚沼地域医療教育センター
髙田 俊範 先生

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